あのとき母は「申し訳ない」と言った

喘息のつらさは異常!【働くモノニュース : 人生VIP職人ブログwww】
喘息持ちにとっては「あるあるw」といったような話が出てくるわけだが、喘息になって良かったとは思わないにしても得られたものはあったりしたので、これも含めて僕の人生なんだろうと思ったのは小学生の頃だったか。案外、受け入れてしまえば精神的な辛さは無かった。

喘息持ちでありながら、5年ほどタバコを飲んでいた時期もあった。当時、何となくタバコを始めたつもりだったが、今になって思えば、幼少期は天敵であったタバコに対する復讐心か、過去のトラウマを清算するつもりだったのだろう。この喘息というやつは体質の問題で発症するもので、僕の場合は母からの体質遺伝によるものだ(と思われる)。母の家系の男子は呼吸器系が弱いらしく、実際に母方の祖父も喘息持ちだ。

ある日、僕は一度だけ母の前で、友人たちには当たり前にできて、僕は喘息によってできなかったことについて恨み言を言ったことがある。それを言ってすぐ「しまった」と僕は思い、母に怒鳴られるのを覚悟したが、その予想に反して母は「申し訳ないと思っている」と僕に言っただけだった。

そのときの母の顔は、僕が一番嫌いな母の顔だ。不出来な息子である僕は、これまでにも何度か母を泣かせてきたが、涙ひとつ流さず僕を見据えたあの顔は、初めて死人の顔を見たときよりも強い衝撃となって残っている。