はてなが作った視覚詩サービスが個人的にどストライクだった

はてなコピィは、とても面白いサービスだと思う。140文字の言葉だけでもなく、直接的なイラストレーションでもなく、ヴィジュアル・ポエトリーのアプローチをジェネレーターひとつで実現しているところに惹かれた。

ビジュアル・ポエトリー(視覚詩)とは何ぞやって、難しいことはこの辺りを読んで頂ければと思う。僕なりには『文章を単語レベルで分解し、全体が表す情景や読みのリズム、または単語それぞれの意味を空間配置によって表現する手法』だと捕らえている。

まぁ、ごちゃごちゃ言っても仕方が無い。既にはてなコピィに投稿されているコピィから、実際の作例として拝借していきたい。

http://copie.hatelabo.jp/cp/gYC-xL3S-cvHdg
『二人の距離』という文字列だけでは、この二人は手を取り合う距離にいるのか、それとも決して手の届かない距離にいるのかは分からない。だがこのように『二人』をど真ん中に、『距離』をそれぞれ空間の最果てに配置することで、この世界観の主人公は『二人』であり、そして彼らの間にはとても長い隔たりがあることが見て取れる。

http://copie.hatelabo.jp/cp/gYC-yLr_ltWnXg
お笑いコンビ『トータルテンボス』のお決まりとなっている掛け合い。トータルテンボスの「忍びねぇな」「構わんよ」は、「さあネタに入りますよ」「はい行きましょう」という二人だけの合図であると同時に、「ここからネタですよ」「今から面白いこと言うよ」というお客へのメッセージでもある。ここには、そんな「忍」以前の前振りからの転換、「よ」の後に続くネタへの導入線としての物語的な区切り。そして、トータルテンボスの二人による阿吽の掛け合い、二つの言葉の重なり合いが表されている。

他にも沢山紹介したいのだけど、長くなりすぎるのでこの辺でやめておく。
とにかく、このはてなコピィは、以上の様なヴィジュアル・ポエトリーの試みを手軽に楽しむことができ、さらには自動配置による偶発的な可能性を秘めているところが素晴らしい。

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