ひとりごとが増えた

実家に戻ってきて早くも2週間が過ぎました。

変わったことと言えば、半強制的な三度三度の食事による心配が僕の腹回りで現実味を帯びてきたこと。そして独り言が増えたことです。何らかの意味を持った文節の独り言に限らず、荷物を上げ下げするときの「よっ」という掛け声やため息に混じる「はぁ」の声まで、日常生活で勝手に出てくる声が戻ってきました。あまり他人と会わない人間が独居生活を続けていると、こういった「つい漏れる声」すら出なくなってしまうのです。

宇宙飛行士の山崎直子さんが間もなく宇宙へ飛び立ちます。無重力状態で長期間過ごすと、地球の重力に対する支えとなる骨格を身体が不必要と判断するのか、骨中のカルシウムが血液中に溶けていき骨粗しょう症のような状態になってしまうそうです。

特殊な環境に適応するための退化による進化が、現代の社会生活では不便を生み出してしまうかもしれない。人間の環境への適応性は驚くべきものだと実感させられました。

僕の性格というものも、普段は気に止めないくらい小さな環境の違いから生まれる適応化が、その人間の個性として社会に受け入れられているに過ぎないのかもしれません。